BRAND STORY

01

BRAND

“アスリートたちを元気にすることで世の中を元気に”
和光ケミカルの新たな挑戦がここからスタート。

共通理念は
「共存共栄、環境と性能を両立すること、
現場のニーズや欲求をつかむこと」

アグレッシブデザインの母体である株式会社和光ケミカルはWAKO’Sブランドの業務用潤滑油・ケミカルメーカーであり、BtoB(企業間取引)がメインのため、その多くは業務用として使用され、販売店で消費者が購入する割合はわずか。商品は、プロが使い業務の収益に直接影響があるため、プロの目でシビアに見られ、価格以上のメリットがない限り受け入れられない世界で使われている。

一方、アグレッシブデザインは消費者に直接メリットを訴求していくビジネスモデル。BtoB(企業間取引)の会社では経験のない、いわば「未開の地に足を踏み入れた、会社始まって以来のチャレンジ」でもある。

一見「何故、和光ケミカルが?」とも思えるこのチャレンジには、実はそれまで業務用商材を開発・提供しトップシェア獲得に至った「軸となる考え方」が共通の理念として根底に流れている。その考え方とは、「共存共栄、環境と性能を両立すること、現場のニーズや欲求をつかむこと」である。

人々の心身を健やかにすることで
世の中を元気にし、
収益を得る仕組みをつくる

2006年、和光ケミカルが30周年を迎える年のある日、社長の川邊より「今後、社会は大きく変わっていく。オートアフターマーケットではトップシェアを取ったからといって、今の状況にあぐらをかいているわけにはいかない。これまでとは違う新しい販路や、女性という有能な人材資源の一層の活用を考えることが求められる時代になる。

また、体力が衰える年齢になっても力を発揮できる環境を創ることが求められてくる」さらに、「会社が存続する上では、モノを売って収益を上げるだけではなく、社会から必要とされる要素が必須である」との訓示があった。

そして、「女性や高齢の社員も活躍でき、社会に貢献することで収益を得る業務を作り、海外進出も視野に入れた新たな販路を開拓する。」という方針が出された。

ここから内部、外部環境を精査し、様々な経営者からも助言を受け、現場を調査確認し、数年の紆余曲折を経たのち、「人々の心身を健やかにすることで世の中を元気にし、その結果収益を得る仕組みをつくろう」というアグレッシブデザインの構想はスタートした。

一見「何故、和光ケミカルが?」とも思えるこのチャレンジには、実はそれまで業務用商材を開発・提供しトップシェア獲得に至った「軸となる考え方」が共通の理念として根底に流れている。その考え方とは、「共存共栄、環境と性能を両立すること、現場のニーズや欲求をつかむこと」である。

アウトドアスポーツ
トライアスロン

身体のパフォーマンスを
上げる製品を作る「面白さ」

当時、自民党の谷垣元総裁が自転車に乗っていることが話題になり、マクドナルドの元CEO原田氏をはじめ、多くの経営者がトライアスロンをやっており、「経済を回している(=景気の良しあしに影響を与えられる)方はアクティブに過ごしている。日本を元気にするのであれば、モノを売って元気にするよりも影響力のある人を元気にした方が早いし効率が良い」とも考えられた。

そのためには機材のパフォーマンスを上げるよりも、疲れをものともしない健やかな身体を作ること、身体のパフォーマンスを上げる製品や仕組みを作った方が面白い。

時を同じくして、潤滑油の開発で非常にデリケートな性質の新しい原料を入手した。その原料を使った全く新しいコンセプトの「自転車用の潤滑油」の開発が進む中、開発協力してくれているプロの自転車チームの選手から意外なことを耳にする。

「潤滑油の性能はすごく良いですよ。でも、個人的にはそれ以上に『ほんとに焼けない日焼け止め』が欲しいんです。」彼曰く、「日焼けで疲れが溜まるんです。今ある日焼け止めは汗で流れてしまう。また、肌が弱いので日焼け止めを塗るだけですぐに赤くなる。何とかなりませんかね?」

「アクティブにアウトドアスポーツを楽しむ人が翌日に疲れを残さないように。次の日から精力的に働けるように」。これが形になればアクティブなワーキングアスリートを増やすことができる。彼(彼女)らが、仕事や家事、子育て、学業にしっかり励むことができれば、きっと世の中が元気になる。

業務上、化粧品の原料や情報は優先的に手に入るし、パートナーシップを結べる相手は多数に上る。「これは面白い」。日焼け止めに大きな可能性を感じた瞬間だった。

自転車レース
長距離・長時間を走るウルトラマラソン

「夢を見ようじゃないか」
という言葉と共に、
アグレッシブデザインは始まった

だが「コンシューマー向け」というこれまでのビジネスとは全く違う畑。薬機法の順守が必須となることを踏まえ、既存の営業ルートで流通させるのには無理がある。仮に、強固に確立された既存の営業ルートで流通させればすぐにでも大きな実績は見込めるものの、会社の方針である「新しい販路」にはならない。また、かたくなに業務用として企業間取引を貫いているWAKO’Sルートにコンシューマーブランドを流すことに矛盾が生じる。しかし、ゼロから販路を築くとなると、おのずと目の前の実績から目を背けることになる。これらを鑑み、川邊は「夢を見ようじゃないか」という言葉と共に、アグレッシブデザインの構想にゴーサインを出した。

その後、開発チームが立ち上がり、先のアスリートたちとの共同開発を経て、自転車を通じて企業と商品のPRを行うことを目的に2013年暮れに立ち上がった「サイクルスポーツ事業部」での専売品として、2015年9月にアグレッシブデザイン「ファイター」と「クレンジングオイル」の販売が始まった。

それから間もなく、事業部として独り立ちできる環境を整え、2016年3月に「アグレッシブデザイン事業部」が産声を上げた。

業務用ケミカルメーカーとして長年プロの要求に応え続けてきた「創業以来変わらない理念」から生まれた、新しい発想と未来に向かうチャレンジがアグレッシブデザインなのである。

02

“Fighter”

“塗り直しのいらない日焼け止め”
それはどのようにして作ることができたのか。その誕生秘話をご紹介。

アグレッシブデザインにとって「現場」とは、アクティブに活動するアスリートがしのぎを削る場。そこでアスリートが求める機能、つまり「如何に身体的なパフォーマンスを上げるか?」というニーズを把握し、ウォンツを創造することが開発の礎(いしずえ)となっている。

現場では
どんなニーズやウォンツがあるのか?

日焼け止めの開発が始まる。

身体一つで勝負するアスリート向け故にわずかなストレスもパフォーマンスに影響する。製品開発には細かな気遣いができる女性の視点が絶対に必要である。主にテクスチャー(使用感)や肌影響の分野を化粧品業界の業務経験がある女性スタッフが担当。

そしてノウハウが必要となる開発分野は長年WAKO’Sの製品開発に携わり自らも自転車に乗る男性スタッフが担当。

自身の身体も開発サンプルとし、会社の分析機器や商社からの情報なども最大限活用した。製品開発は主にこの2人が中心となって、当時国内トップの自転車プロチームと進めていくことになる。 

製品開発
自転車レース

尖った製品の誕生
2つのハードルと2つの決断

日焼け止めに対して、「練習でドリンクボトル10本も消費するほどの大量の汗でも流れ落ちない」、また、「デリケートな肌でもヒリヒリしない」などの選手からの高い要望。これに応えるために試作品を作る日々。ところが、どんなに処方を検討して試作品を作っても、汗で流れてしまう…。自転車プロチームのメンバーが口をそろえて言う「市販のどんな日焼け止めを使っても流れてしまう」は、生半可なことでは解決できないことが分かった。

第1のハードル どれだけ汗をかいても流れない、塗り直しが必要ないこと

日焼け止めだけを考えていたので、当然のように「普通に落とせるもの」で検討していた。汗と一緒に流れる皮脂の成分の一つである脂肪酸は石けんの主成分と性質が似ている。つまり、石鹸でも落とせる製品は大量の汗をかくと流れてしまう。
これはどんなに努力しても、石鹸で簡単に落とせる成分を使う限り解決することはできない。考え抜いた末、石鹸で手軽に落とせる利便性を捨てて、「大量の汗でも流れない」という製品特長を際立たせる決断をする。

自転車レース

第1の決断 「大量の汗でも流れない」という製品特長を際立たせる

考え抜いた末、石鹸で手軽に落とせる利便性を捨てて、「大量の汗でも流れない」という製品特長を際立たせる決断をする。

こうしてどれだけ汗をかいても流れない製品のベースが出来上がった。ところが、自信をもってテストに出したが「皮膚呼吸ができない」・「息苦しくてパフォーマンスが低下する」などのレビューの数々。これは「汗が外に出ない」ことが原因だった。

ランニング

第2のハードル 汗をどのように外に出すか

第2のハードル、「汗をどのように外に出すか」に取り組むことになった。

ここで活きたのがWAKO’Sの工業用製品のノウハウだった。社内に蓄積された技術を応用することで、汗で流れる問題よりも短い期間でクリアすることができた。グリースやコーティング剤、錆止め剤を開発しているからこその成功だった。
(これに関しては、非常にデリケートなノウハウであるため、ここでの記載は控えさせていただく)

それと並行して、女性スタッフは自転車競技とは全く縁がなかったが、選手たちと密にコミュニケーションを取り続け、次第に信用を得ていく。

そして「人体に直接使用するからこそ」女性の視点からテクスチャー(使用感)や肌への優しさを徹底的にこだわり、ハンドルバーやブレーキレバーの滑り止め機能をも持ち合わせた、肌の弱い選手たちも使用できる納得の製品に仕上げた。

これは「要望に徹底的に応えたい」という開発スタッフのこだわりの賜物である。

グリースやコーティング剤、錆止め剤
製品開発

第2の決断 全てにおいて安全性が優先される

製品の開発途中で特に印象深いエピソードが、「数値と発売時期を取るか、安全を取るか」という選択を迫られた局面だった。試作品に使っている紫外線防止に関わる成分の「オクトクリレン」に、シップ薬に含まれる成分と反応し光線過敏症を重篤化させる可能性があることが分かった。アスリートにとってシップ薬は身近なものである。

この報告が上がってきた時点では、ほぼ処方が確定しており、変更すれば商品の発売時期が少なくとも半年以上延びることになる。日焼け止めシーズンを逃せば1年を棒に振ってしまう。また、この成分を使用しなければSPF値が低くなるのは分かっていた。日焼け止めにとってSPF値は機能を表す重要な指標。「製品化する以上、他よりも高い水準で発売するのが和光ケミカル」という開発ポリシーであるが、人体への安全性を最優先に考え、発売時期を延ばして最終確定まで進めてきた処方の変更を決断する。

数値へのこだわりは技術者として重要なものである。が、比較のための指標としての数値よりも、使用者のメリットや満足に繋がる製品であるべきと考えた。

光線過敏症

アグレッシブデザイン
トップアスリートサンプロテクト
“ファイター”の誕生

日本ではSPF値が50を超えれば一律SPF50+と表示される。市販品には実際の数値として68や75などのものが少なくないが、皆2~3時間ごとの塗り直しを推奨している。開発品のSPF値はギリギリ50+を確保したもののそれらからは見劣りする。しかし、塗り直せないシチュエーションでは圧倒的に勝算はある。
併せて、トップアスリートにドーピングの心配をさせないために、原料一つ一つドーピング懸念物質が入っていないこと、製造過程でも入る可能性がないことの確認も怠らなかった。

こうして、トップアスリートが流す大量の汗をしっかり外に出し、しかも塗り直し不要、またシップ薬の使用やドーピングの心配、手の滑りさえも気にする必要がない、超アスリート向け日焼け止め、「アグレッシブデザイン トップアスリートサンプロテクト “ファイター”」が誕生した。

光線過敏症

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