‟気になる”を調べてみました

肌ケア豆知識

Chapter 6
「暑さになれる(暑熱順化)」について 調べてみました。

③ 暑さに慣れるとこんなに変わる

暑さに慣れておく「暑熱順化」がとっても大事、身体が暑さに慣れているのといないのとでは大違い!じゃあ具体的にどう違うの?今回はここをきっちり確認しておきましょう。実は、身体が暑さに慣れるとこんなにいいことがあるんです!

★ 持久性、筋力などのパフォーマンスが向上する
★ 脱水症状、熱中症のリスクが低くなる
★ 運動後の回復が早くなる

なんと!身体にとって良いことばかりですね。ではなぜこんなにもいいことずくめなのでしょう。その理由には具体的にこんなものがあります。

1. 安静時の深部体温が下がる

人間は身体の中に熱をためこむ機能がありますが、ここまで熱をためこめるよー!っていう許容量があるんですね。で、安静時の深部体温、つまり最初に持っている熱量が下がることでその分新たにより多くの熱を身体にためこむことができるってわけなんです。たとえば、携帯の写真フォルダーなんかも保存量を減らすとその分空き容量が増え、新たにまた写真なんかを保存できるようになりますよね。身体の中の熱も、おんなじなんです!

 

2. 汗がサラサラに!

汗にも変化がみられます。そう、サラサラした汗になってくれるんですよ!ベターっとした汗とサラサラした汗の違いを感じる方も多いんじゃないでしょうか。汗がサラサラになると、汗で排出されるミネラル分の量が減り、さらにかいた汗が蒸発しやすくなり肌から熱を奪う力がアップするんです!だからベターっとした汗をかくより気持ちいいんですね~!それから、汗が出始めるときの深部体温も低くなります。ということは、早く汗をかくし量も増えるんですね。おかげで過度な体温上昇を抑えることができるということなんです!

 

3. 血液にも良い効果が!

汗だけじゃなくて血液にも良い効果があります。皮膚の血流が増え、身体の熱を外に出そうとする力がアップするんです。そうするとますます過度な体温上昇を抑える効果が高くなるってことですね!さらに、血液の中もパワーアップ。私たちの血液には血しょう(血漿)といって栄養分を身体のいろいろな組織に運んだり、呼吸によって発生した炭酸ガスや老廃物を排出してくれたりする成分があるんですが、この血しょうの量も増加するんです。パワーアップした血液が活発に流れてくれ、身体が動かしやすくなるってことですね~!

 

4. 他にもこんなうれしい効果も!

暑熱順化することによって、同じ強度の運動をしても心拍数が下がることもわかっています。ドキドキしにくくなるってことですね。激しく身体を動かすスポーツにおいては心拍数が上がりすぎないことも重要です。また、酸素の摂取量の最大値も上がるという効果もあるんですよ!

 

暑熱順化すると身体にこんなにうれしい効果がたくさんついてくるんですね~!暑さに慣れるのと慣れていないのとでは本当に大違いです!!

 

次回は「④暑さに慣れるためにはどうしたらいいの?」です!

参考資料

国立スポーツ科学センター:競技者のための暑熱対策ガイドブック

体力科学47巻(1998)2号「暑熱環境下運動時の皮膚血流調整」

独立行政法人労働者安全機構労働安全衛生総合研究所:熱中症が発生する原理と有効な対策

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