‟気になる”を調べてみました

肌ケア豆知識

Chapter 6
「暑さになれる(暑熱順化)」について 調べてみました。

② 暑さに慣れることって、必要なの?

暑い環境に身体が慣れないと、どうなるんでしょう?

暑い中運動したらなんだかパフォーマンスが落ちた~!なんて経験をされた方も多いんじゃないでしょうか。それは、環境温度が高いと運動を続けられる時間を長く保てなくなるからなんです

みなさんは試合やトレーニング前にウォーミングアップをしますよね?これには筋肉の温度や酸素の利用効率を高める狙いがあるんですが、それだけじゃないんですよ!

身体内部の温度と筋肉の温度が高くなりすぎると、持久性運動のパフォーマンスが低下するんです。筋肉を動かすと身体の内部で熱が作られるんですが、急に運動すると、身体の熱を逃がす準備が間に合わずに温度が高くなりすぎるので、ウォーミングアップでしっかり身体の体温を調整する準備をするんですね。

身体に熱をためこんだままでは体温はどんどん上昇してしまいます。

それを防ぐために、身体の中にたまってきた熱を外に逃がして体温を一定に保つように身体は働くんです。身体の熱を外に逃がす働きとしては、皮膚の血管を拡張させたり、汗をかいたりすることがあげられます。湿度などの関係にもよりますが、気温30℃以下だと汗をかかなくても体温との差で皮膚からは一定量放熱されます。ですが、それ以上の気温になると水分を蒸発させて、気化熱によって積極的に放熱させる必要があるんです。その水分を出すために汗をかくんですね!しかし、高温多湿な環境では汗が蒸発されにくくなります。汗をかいても蒸発されない“無効発汗”量が増えてしまうと、身体の水分がどんどん出て行くのに冷えなくなってしまいます。そうなるとますます深部体温(身体の内部の温度のことで鼓膜や直腸で測ります)が上昇してパフォーマンスはどんどん悪く…こうなっては大変ですね! 

ですから、暑い環境に身体を慣らす暑熱順化って必要なんですね。

参考資料

国立スポーツ科学センター:競技者のための暑熱対策ガイドブック

体力科学47巻(1998)2号「暑熱環境下運動時の皮膚血流調整」

独立行政法人労働者安全機構労働安全衛生総合研究所:熱中症が発生する原理と有効な対策

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